「スイスへの留学が決定したけど、どんな準備が必要なんだろう?」「ビザは必要なのかな?」
そんな疑問を持つ方のために、スイス留学に必要な準備について、手続きからスイスへの渡航、持ち物まで、ジュネーブ留学中の筆者が徹底的に解説します!
もくじ
これだけは必須!手続き編
大まかな流れ
スイス留学に向けて、6つの準備が必要になります。
「来年の9月から留学を開始する」と仮定して、大まかな流れを確認していきましょう!
〜前年の9月末
留学する大学・プログラムを決め、応募要件を満たしておく
留学の条件として、各大学が条件を課していることがあります。代表的なものとしては、語学レベル(英語圏であればDELF/DALFやTCF、英語であればTOEFL, IELTSのスコアなど)や、日本の大学でのGPAなどがあります。
また、交換留学の場合には、日本の大学または学部の中で行われる「学内選考」を突破する必要があります。その際にも、語学レベルや一定以上の成績が必要になってきますね。
自分がいつまでに・どのレベルを満たす必要があるか考え、計画的に準備しましょう。
フランス語試験を受検する方へ
DELF/DALFやTCFなどのフランス語試験は年に数回しか行われておらず、出願の締め切りが非常に早いです!!「試験が受けられず、応募条件を満たせなかった…」とならないよう、今すぐアンスティチュ・フランセのHPから、試験日程と申込締め切りを確認しましょう!
前年の10月〜
留学先の大学にOKをもらい、指示に沿って登録手続きを行う
その後、受け入れ大学に必要書類を提出し、許可が出ればスイスへの留学が決定します!🎉
大学からメールで案内が届くので、その指示に沿って追加で必要書類を提出したり、住居の手続きをしたりします。
1月〜
滞在許可証の手続きをする(3ヶ月以上滞在する場合)
留学が決定したタイミングで、滞在許可証の手続きも始めましょう!
日本のパスポートを持っている場合、スイス入国時にビザは必要ありません。ただし、3ヶ月以上の滞在の場合、滞在先のカントン(州のようなもの)が発行する「滞在許可証」が必要になります。
手続きには2,3ヶ月程かかると言われています。早めに準備しましょうね!
1月〜2月
奨学金に応募する
上記と並行して、奨学金の手続きも行っていきます。留学スタイルや滞在先、出身県などにより様々な奨学金があるので、まずはリサーチから始めましょう。
6月〜9月
保険に加入する
私は所属大学に指定された「学研災付帯海外留学保険」と、現地の大学に案内された "Scorestudies" の保険に加入しました。
基本的に、大学からの案内に従って申し込めば大丈夫です!
7月〜8月
日本の大学に、「留学願」or「休学願」を提出する
最後に、日本の大学で必要な手続きも忘れてはいけません。交換留学の場合は「留学願」を、休学留学の場合は「休学願」をそれぞれ提出することになります。
どうやって準備したらいいの?(詳しく解説)
「何から始めて良いかわからない…」という方、安心してください!先ほどの流れに沿って、詳しい準備の仕方を説明しますね!
留学先の大学にOKをもらい、指示に沿って登録手続きを行う
私の場合は交換留学だったので、まずは大学に「志望理由書」や「フランス語試験の成績」を提出し、面接を受けて学内選考を突破しました。
その後、受け入れ大学の指示に沿って以下のことを行いました。
① 受け入れ大学への登録
受け入れ大学に ①証明写真(パスポートサイズ)、②パスポートの写し、③大学の成績証明書、④カバーレター、⑤語学試験の成績表を提出し、オンラインで個人情報の入力や履修の仮登録を行います。
「カバーレター」とは、ざっくり言うと留学でどのようなことを学びたいかを記した手紙のことです。書類の左上に自分の個人情報や日付を、右上に受け入れ大学の情報などを記入し、「登録についてのご連絡ありがとうございます。」などといった文言から始めると良いでしょう。
"cover letter" などと検索して、決まり文句をそのまま用いるのが一番簡単です。文法やスペルに自信がない場合は、大学の先生などに添削してもらいましょう!
提出後しばらくすると、受け入れ大学から「受け入れ許可証」がメールで届きます。
② 学生寮の申し込み(オンライン)
上記の登録と同時期に、学生寮の申し込みも始まります。
今回も、オンラインで個人情報を入力し、証明写真や必要書類をアップロードします。
ここで必要な書類の一つとして、"guarantee letter"があります。これは「滞在する本人(自分)が家賃を払えなくなった際に、誰が・どのくらいの支払いを保証できるか」を示した書類のことです。多くの場合「最低〇〇CHFは保証してください」という下限があるので、指示に従って記入しましょう!(私は父にお願いして、書類を記入してもらいました。)
ちなみに、滞在する本人(自分)のことを"beneficiary"、保証人(親など)のことを"guarantor"と呼びますよ〜
また、住居に関わる必須の手続きとして、"deposit"があります。これは、住居の提供者に対し、事前に提供する保証金のことです(日本の賃貸でいう「敷金」にあたるものですね)。保険会社や銀行を介して手続きを行います。
ステップとしては、
① 保険会社に申請をする
② 保険会社にお金を振り込む(海外送金)
③ 書類にサインする
の3段階です!
私は ②海外送金 がちんぷんかんぷんだったので、銀行の窓口で一緒にやってもらいました!
ここまで出来たらもう大丈夫!住居の手続きはほぼ完了です。
③ 滞在許可証の手続き
滞在許可証の取得は、OCPM(滞在予定のカントンの移民局)によって管轄されています。
OCPMとは "Office cantonal de la population et des migrations"の略ですよ〜
大まかな流れは、以下の通りです!
① 日本からOCPMに、必要書類を"紙で"郵送する
② スイス到着後、追加書類を提出する
③ OCPMに伺い、生体認証に必要な情報を登録する
④ 家のポストに「滞在許可証」が郵送される
個人的には、留学準備の中で滞在許可証の手続きが一番大変でした…
必要書類や準備の仕方など、詳しくは別の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください↓
③ 奨学金に応募する
今回は、私が申し込んだ2つの奨学金について解説します。(*以下は、2022年度奨学金募集時の情報です)
JASSO(日本学生支援機構)「海外留学支援制度(協定派遣)の奨学金」
種類:給付型奨学金
対象者:日本の大学から海外の協定大学に留学する学生のうち、所属大学で一定以上の成績(GPA)を納めている者
給付金額:月額6〜10万円(派遣先によって異なる)
申込方法:所属大学からの指示に沿って、学内選考への応募や登録フォームの送信をする
私の周りでは、最も多くの学生が利用している奨学金です。私自身も、月に10万円を支給して頂いています!
詳細や他の奨学金については、JASSO(日本学生支援機構)のHPを参照してみてください!
業務スーパージャパンドリーム財団の「派遣留学奨学生」
種類:給付型奨学金
対象者:日本の大学から海外の協定大学に留学する学生のうち、所属大学で一定以上の成績(GPA)を納めていて、語学研修が目的ではない者
給付金額:月額15万円または20万円(派遣先によって異なる)
申込方法:所属大学からの指示に従って、自己PR(A4×2枚)や教員からの推薦書、小論文などを提出する
私は落選してしまいましたが、こちらも学生に人気の奨学金です!
交換留学の場合は、所属大学から奨学金の案内があると思います。大学HPなどでチェックしてみましょう。
飛行機編
スイスへの行き方
日本からスイスへ、直行便はあるの?
スイスには、チューリッヒとジュネーブに国際空港があります。
成田空港からチューリッヒまでは、スイスインターナショナルエアラインズと全日空のコードシェア便(直行便)が、1日に1便だけ運行しています。ジュネーブには日本からの直行便がないため、中東やヨーロッパでの乗り継ぎが必要です。
航空券の選び方
参考までに、成田空港〜ジュネーブ空港の航空券の値段は、ざっくり以下のようになっています!
3ヶ月前 | 1ヶ月前 | 3日前 | |
JAL | 258,380円 | 268,380円 | 441,040円 |
最安値 | 86,049円(シンガポール航空) | 103,880円(マリンド・エア+トルコ航空) | 136,820円(エチオピア航空+カタール航空) |
慣れない留学のスタートは、日本語のサービスもあり、機内食も日本人好みなJAL(日本航空)での渡航だと安心ですよね。
そんなJALの航空券ですが、3ヶ月前の予約と3日前の予約では、値段が大きく異なります!
同様に、各時期の航空券の最安値も、3ヶ月前から3日前にかけて、ぐんぐん値段が上がっているのが分かると思います。
つまり、航空券はとにかく早く予約するのがポイント!3ヶ月前を目安に、余裕を持って購入を済ませましょう。
近年はコロナのこともあるので、予約変更が無料でできる便がおすすめ!私はエミレーツ航空の、ドバイ経由の便でジュネーブに渡航しました。
持ち物編
荷物はどのくらい持っていく?
長期留学(10ヶ月など)の場合、大きめのスーツケース2, 3個+リュックサックで渡航する方が多い気がします。
私の場合は、
- 大きいスーツケース1個+ボストンバッグ(合計35kg)
- リュックサック(7kg)
になりました。
持ち物
どの航空会社を選んでも、持っていける荷物の量は限られています。本当に必要なもの・そうでないものをしっかり取捨選択しましょう!
持ち物の詳細やパッキングについては、こちらの記事でご紹介しています↓
到着後に行うこと
学校が始まるまでにやること7選
一般的に、留学先には学期が始まる1週間前までには到着する方が多いです。
学校が始まるまでにやっておくべきことが幾つかあるので、まとめておきますね!
携帯のSIMを購入【重要度 ★★★】
現地について最初のタスクとなるのが、現地のSIMカードを購入することです!
私の場合は、日本の携帯会社で「海外で何日か使えるプラン」を契約しておいて、その期間の間にSIMカードを購入しました。
(スイスのSunriseという携帯会社で、月額29スイスフランのプランに加入しています)
公共交通機関の定期を購入【重要度 ★★★】
スイスの市内の交通はバス・トラムが主流なので、留学生のほとんどがその定期(年パス)を購入します。
定期を購入するまでは、毎回券売機でチケットを買わなければなりません。早めに購入しましょう!
ジュネーブの場合は、tpgという会社のショップに直接行って、契約をします。ショップに到着したら、整理券を取って待ちましょう。自分の番号が呼ばれたら、窓口で購入手続きをするだけです!
滞在許可証の手続き【重要度 ★★★】
滞在許可証取得のためには、スイスに到着後に追加書類を提出する必要があります。到着後なるべく早く、OCPMに書類を郵送しましょう。
郵送の方法は簡単!封筒に必要書類を入れ、切手を貼って、近くの黄色いポスト(スイスの郵便局:La Posteのポスト)に投函するだけです!
生活必需品を揃える【重要度 ★★】
到着後、少し余裕ができたら、スーパーなどで生活必需品を揃えましょう。一人暮らしの場合は、食器や調理器具なども現地で調達することになります。
やっと楽しい雰囲気が出てきましたね!私の場合は、現地で出来た友達とIKEAやMIGROS(スイスのスーパー)に行きました!
生活に慣れる!【重要度 ★★】
街を歩いたり、自炊したりなど、まずは現地での生活に慣れるのが一番!
授業が始まってバタバタする前に、生活スタイルを整えましょう。
履修を考えておく【重要度 ★】
留学の申し込みの際に、すでに履修計画を提出している方が多いと思いますが、
派遣大学によっては、現地に着いてから(あるいは授業を受けてから)履修を変更できる場合があります。
以前の提出から時間が経って、興味分野が変化した方もいるのではないでしょうか?
改めて、自分がどの授業を受けたいのか、考えてみましょう!
旅行に行く 【重要度 ★】
授業が始まるまでは、自由に使える時間がたくさんあります!私の周りでは、この期間を活用して旅行に行く学生が沢山いました。
ただし、無理は禁物!まずは、上記の通り、必要な手続きを進めつつ、新たな生活に慣れることが優先です。
スイス留学の実態については、こちらの記事で紹介しています↓
まとめ
今回は、留学に向けた準備について紹介させて頂きました。
やることが多く大変ですが、留学が始まるまでの辛抱です…!
皆さんが実りある留学生活を送れるよう、心から応援しています!